細部
1996, ISBN 4-7885-0551-7, 4326円, 新曜社, 東京, 395頁著者
ヨーゼフ・クライナー
日本民族学の現在 -1980年代から90年代へ
1980年いらい日本の民族学研究は優れた民族誌を蓄積する一方、民族紛争や海外旅行による一般の関心の高まりにも刺激されて著しく進展した。従来の研究分野と並んで、祭祀空間論、エスニシティの問題、あるいはコンピューター民族学など新しい分野の研究が取り上げられてきた。また、地域研究を見ると今まで自由に現地調査、研究ができなかったシベリアのような地域が、最近の政治経済的な変化の影響で、新しく研究者の注目を浴びるようになった。しかし、それよりも重要なことは戦後日本の思想史におけるパラダイムの変化と日本民族学の関わりに注目すべきであろう。ここで強調しておきたいことは、日本民族学の役割が一般にも注目されるようになったことである。
本書は、この間の研究の成果を、第一線の専門家35氏が13の分野・22の地域にわたって展望した貴重な研究手引書である。
コンテンツ
小谷凱宣
アイヌ文化-過去10年間のアイヌ研究
p.224-237
アイヌ文化-過去10年間のアイヌ研究
p.224-237
伊藤亜人
韓国・朝鮮-日本の民族学・文化人類学における研究
p.238-252
韓国・朝鮮-日本の民族学・文化人類学における研究
p.238-252
竹村卓二
中国
p.253-261
中国
p.253-261
小野澤正喜
東南アジア大陸部
p.262-272
東南アジア大陸部
p.262-272
菊地 靖
フィリピン-戦後の研究動向
p.273-285
フィリピン-戦後の研究動向
p.273-285
山下晋司
インドネシア・マレーシア
p.286-298
インドネシア・マレーシア
p.286-298
畑中幸子
オセアニア・オーストラリア
p.299-307
オセアニア・オーストラリア
p.299-307
小西正捷
南アジア
p.308-316
南アジア
p.308-316
大塚和義
シベリア-日本における民族学研究
p.317-326
シベリア-日本における民族学研究
p.317-326
片倉もとこ・松原正毅
中東 -日本人研究者による人類学的研究
p.327-335
中東 -日本人研究者による人類学的研究
p.327-335
栗本英世
東・中央・南アフリカ-1980-1994年の研究動向
p.336-349
東・中央・南アフリカ-1980-1994年の研究動向
p.336-349
川田順造
西アフリカ
p.350-360
西アフリカ
p.350-360
森 明子
ヨーロッパ-日本における民族学・文化人類学的研究
p.361-368
ヨーロッパ-日本における民族学・文化人類学的研究
p.361-368
青柳清孝
北米
p.369-378
北米
p.369-378
岡田宏明
エスキモー -1978年以後の研究の歩み
p.379-387
エスキモー -1978年以後の研究の歩み
p.379-387
大貫良夫
中南米
p.388-392
中南米
p.388-392
ヨーゼフ・クライナー
日本民族学・文化人類学の歴史
p.3-8
日本民族学・文化人類学の歴史
p.3-8
佐々木高明
学会・協会・振興会の動向
p.9-15
学会・協会・振興会の動向
p.9-15
村武精一
象徴空間論
p.29-40
象徴空間論
p.29-40
宮田 登
都市民俗学・祭祀空間論
p.41-51
都市民俗学・祭祀空間論
p.41-51
網野善彦
日本の中世史研究-現状と課題-
p.52-63
日本の中世史研究-現状と課題-
p.52-63
保立道久
日本の民衆史研究
p.64-71
日本の民衆史研究
p.64-71
上野和男
社会構造論・家族研究
p.72-84
社会構造論・家族研究
p.72-84
住谷一彦
共同体祭祀(宮座)
p.85-98
共同体祭祀(宮座)
p.85-98
綾部恒雄
エスニシティ
p.99-119
エスニシティ
p.99-119
松村一男
神話
p.120-127
神話
p.120-127
石毛直道
食事文化
p.128-143
食事文化
p.128-143
杉田繁治
コンピューター民族学
p.144-157
コンピューター民族学
p.144-157
大林太良
日本民族の起源
p.161-167
日本民族の起源
p.161-167
江守五夫
日本の社会
p.168-175
日本の社会
p.168-175
佐々木宏幹
日本の宗教-1980年以降の宗教研究
p.176-190
日本の宗教-1980年以降の宗教研究
p.176-190
小澤俊夫
日本の口承文芸-現代日本における研究
p.191-201
日本の口承文芸-現代日本における研究
p.191-201
渡邊欣雄
沖縄の宗教と社会
p.202-223
沖縄の宗教と社会
p.202-223