現代日本の地域における伝統の伝承 -幸福の所在
2009年12月年 - 2013年8月
「伝統」という概念とその伝承は現在に至るまで堅剛な構造であり、権威的で硬直したイメージが普及していた。近年より柔軟した解釈が台頭しつつあるが、マクロ構造への焦点の結果として、伝統が個人にどのような影響を与え、個人による伝統の多義にわたる意味については今もほとんど注目されていない。一方で、文化人類学において「幸福」というテーマはこれまでほとんど扱われていない。以上のことを踏まえ、本研究では、伝統の維持と伝承が保存会会員にとって幸福とどのように繋がっているかという点に焦点を当て、地方の伝統保存会に幸福がどのような役割を果たしているかの解明を試みる。特に伝承の過程における幸福の形成を分析し、伝統の伝承と幸福の因果関係を考察する。主要な研究方法はエスノグラフィーである。
スタッフ
スザンネ・クリーン (until 2013年8月)
文化人類学