日米欧におけるベンチャー事業創造と新戦略人事
1998年10月1日
主旨:
米国では大規模な組織のリエンジニアリング、ダウンサイジングによって、技術者、研究者までが企業外へ排出されている。企業内の人材とアウトソーシングが、代替的存在として広く認識されている。企業外に排出された人材は、アウトソーシングの対象として、新たに組織間関係でネットワークされる。この米国型系列のquote;個人quote;は、再度企業内人材の代替的存在として機能し、その結果、新たな人材の企業外への排出が起こる。この繰り返しにより、企業は限りなくダウンサイジングされ、そして人材が排出される。これは米国において、人事機能が今後のイノベーションの最大の機能になることを示している。このような状況の中で、企業は戦略的課題として、21世紀社会の最大の社会的要請である「環境との調和」を踏まえた研究開発、事業創造を行わなければならない。
本シンポジウムでは、この問題を戦略と人事との統合概念に基づき、解決すべきであると考え、人事機能を拡張する戦略、すなわち「戦略人事」に焦点を当てる。人事は経営機能の中で本来、組織間関係で機能しがたい分野であった。しかし、米国の現状は、人事機能がいかに産業組織間で機能(発展)していくかが問われている。もし、経営者、経済・経営学者がこの答えを見出さなければ、より高い社会的なコストをもって公共的に処理されるか、非効率を覚悟の上でMPOボランティア、個人レベルで処理せざるえないであろう。
この戦略と人事の統合としての「戦略人事」、その最大課題としての事業創造への要請は日欧でも同様である。1990年代に経済停滞を経験した日欧は、その文化的、民族的要因も加わり、より大きな課題を抱えている。
本シンポジウムは、2日間にわたり産官学の参加者により、日米欧における多面的な研究を集積、討議し、21世紀に向けた企業行動の指針を構築し、提示する。
10月1日(木)
9:30 開会の挨拶
I. 日地谷-キルシュネライト(ドイツ-日本研究所)
O. ユール ユアゲンセン(駐日欧州委員会代表部代表)
10:00 休 憩
10:20 第1セッション: ベンチャー創造の現実
司会・加藤 和郎(NHK情報ネットワーク)
ハイテクノロジーにおける組織的不連続性の役割・日米比較
R. コール / D. リッチェフ(UC Berkeley)
ヨーロッパにおける会社と人事制度への影響
C. ショルツ(Saarbruecken大学)
新ベンチャー事業創造とグローバリゼーション
榊原 清則(慶應義塾大学/科学技術庁)
パネルディスカッション
伊東 正明(スマートバレージャパン) 金丸 恭文(フューチャーシステムズ)
陸 楽(Asia Internet Plaza)
12:30 昼 食
14:00 第2セッション: インフォメーション・ネットワークとベンチャー創造
インターネット、新会社設立、企業パターン
M. ケニー(UC Davis)
日本における新電信網化された小企業の実態
S. ステフェンセン(東京大学)
情報化、マルチメディアと日本の中小企業
増田 祐司(東京大学)
パネルディスカッション
稲垣 佳伸(ドウ・ハウス) 山田 博英(日本サン・マイクロシステムズ)
前田 昇(ソニー)
16:00 休 憩
16:30 ラウンドテーブル・ディスカッション
– 伊佐山 建志(通商産業省特許庁)河西 保夫(クラブハウス) 戸本 正雄(NEC)
17:45 第1、第2セッション発表者
10月2日(金)
9:00 第3セッション: ベンチャー創造と人事制度
人事制度の国際化
寺本 義也(北陸先端科学技術大学院大学)
人事制度と知識創造
D. ディルクス(ドイツ-日本研究所)
組織化されたネットワークと新人事戦略
奥村 昭博(慶應義塾大学)
パネルディスカッション
長崎 文康(新日本製鐵) 團野 久茂(全日本金属産業労働組合協議会)
11:00 休 憩
11:30 特別講演
松田 俊介(松下電器産業)
前田 信一(日本シスコ・システムズ)
12:15 昼 食
13:30 第4セッション: 組織間戦略、ベンチャー創造と人事制度
異なった傾向のベンチャー創造:歴史的視野に立った企業再構築と人材開発を対象とした労
働市場の分析
D. ボーゲンホルツ(Bremen大学)
組織間戦略と事業革新
清家 彰敏(富山大学)
日本経済の再生とベンチャービジネス
永岡 文庸(日本経済新聞社)
パネルディスカッション
原田 保(香川大学) 山下 正幸(日本長期信用銀行) 藤原和博(リクルート)
15:30 休 憩
16:00 特別講演
棚沢 正澄(トヨタ自動車)
16:20 ラウンドテーブル・ディスカッション
D.フォーベル(ローランドベルガーコンサルティング/ドイツ商工会議所)
第3、第4セッション発表者
18:00 終 了
会議使用言語:日・英同時通訳
発表
1日目 1998年10月1日 (木)
9:30
開会の挨拶
10:20 - 12:30
第1セッション: ベンチャー創造の現実
R. コール / D. リッチェフ(UC Berkeley)
C. ショルツ(Saarbruecken大学)
榊原 清則(慶應義塾大学/科学技術庁)
伊東 正明(スマートバレージャパン) 金丸 恭文(フューチャーシステムズ) 陸 楽(Asia Internet Plaza)
14:00 - 16:00
第2セッション: インフォメーション・ネットワークとベンチャー創造
M. ケニー(UC Davis)
S. ステフェンセン(東京大学)
稲垣 佳伸(ドウ・ハウス) 山田 博英(日本サン・マイクロシステムズ) 前田 昇(ソニー)
16:30 - 17:45
ラウンドテーブル・ディスカッション
2日目 1998年10月2日 (金)
9:00 - 11:00
第3セッション: ベンチャー創造と人事制度
寺本 義也(北陸先端科学技術大学院大学)
ダニエル・ディルクス
奥村 昭博(慶應義塾大学)
長崎 文康(新日本製鐵) 團野 久茂(全日本金属産業労働組合協議会)
11:30
特別講演
11:30
特別講演
13:30 - 15:30
第4セッション: 組織間戦略、ベンチャー創造と人事制度
D. ボーゲンホルツ(Bremen大学)
清家 彰敏(富山大学)
永岡 文庸(日本経済新聞社)
原田 保(香川大学) 山下 正幸(日本長期信用銀行) 藤原和博(リクルート)